ラオウ外伝 天の覇王 #5 相克の兄弟！ の感想

トキが世界を救おうと思う志は、ラオウとは真逆で、愛と仁で世界を
満たすこと。それができるものとしてケンシロウを選び、そのために犠牲となり、
病により余命わずか。ケンに自らの希望をみるもの。違った意味での救世主のトキ。
自分の非力を悲しみ、実に誠実な人、人の鑑である。

ラオウ、トキを自軍に迎え入れようとする。
しかし、トキ、レイナならびにサクヤの話を聞かず、この地に
残るという。
ラオウ、ケンシロウどちらかが来るのを待つという。
ラオウ、来るが、トキはラオウのいうことを聞かない。
ラオウとトキの歩む道は、異なる。
トキ、ケンシロウに望みを託すると言う、ケンこそは究極奥義「夢想転生」
を取得することができると、「愛」と「悲しみ」を知ることにより可能性が
あると。(ラオウにもその可能があるのは後の話。)
また己の拳で人を殺すことを拒否する。
ラオウ、拳を交えて戦おうとするが、トキは怯まず病のため短い運命と
拳を交えず。
仕方なく、ラオウは、トキを監獄都市「カサンドラ」に送る。
カサンドラでウィグルを赤子のように扱い、自ら獄に繋がれる。
サル使いのギオンは、やっぱり子悪党になる下がっている
トキは、ケンシロウが自分を見つけてくれるのを望んで待つことに。。。
トキは、どこで道が異なることになっただろうと思う。その名こそ、天を目指すもの、この乱世を平定する救世主となるものべきとなるものの
名「ラオウ」、だがここに覇業の道を進まず救世主となる道を選んだ男がいた。

トキ、その拳を医療に使う。みなから「救世主」と呼ばれる。
トキの人望は厚い。

ソウガ、ラオウにトキの居場所を知らせる。
貧しい小さな村で診療所を開いている。近隣のものは、奇跡の村とよぶ。
経絡秘孔で怪我を尾なし、人民から上のごとく慕われている。危険ですとソウガは言う。
ラオウ「乱世を治めるは、、覇王のみ。」
ソウガ「やはり、討ちますか。」
レイナ「いいえ、トキの力は必要よ。拳王様の覇道を理解し、協力してもらえるものなら。
　　　　これほど心強い味方はいない。
　　　　会うべきよ、きっと力になってくれる。
　　　　だって二人は血を分けた兄弟なのだから。」
ソウガ「そんな簡単な問題ではないのだ。
　　　　下がっていろ、レイナ」
レイナ「大丈夫よ、トキならきっと。」
ソウガ「相手がトキだからこそ、ここは慎重にすべきだ。」
ラオウ「もうよい。どちらにせよ。トキがどう動くかだ。」
レイナ「だったら私が。私が直接会って、確かめてきます。」
ラオウ「いいだろう。」
レイナを目で追うサクヤ。

ラオウ「トキ、わが弟よ。
　　　　お前は、天ではなく大地を見る男であった。
　　　　おのれの拳を破壊ではなく、再生に使う。
　　　　お前の天賦の才、わが軍にほしい。」

トキ、薬草をとって、帰ってくると街は野党に荒らされていた。
トキ怒りで、その野党の頭を倒すが、後悔が後にくる。

トキ「こんな時代だからこそ、人のために使おうと決めたこの拳が、人の命を奪う。
　　　お前たちは、この拳をどう使っているのだ。ラオウ、そしてケンシロウ
　　　おお、レイナ。ひさしぶりだな。」
レイナ「久しぶりね。トキ」
トキ「ここに来たということは。」
レイナ「ラオウがあなたを待っているわ。」
トキ「私は、この村を離れるつもりはない。
　　　会いたければ、ラオウが自分でくればいい。」
レイナ「なぜ、ラオウはこの乱世に覇業を打ちたてようとしている。
　　　　あなたとラオウが手を組めば逆らう者は誰もいないわ。」
トキ「そこに隠れているものはどう思っているのかな。」
サクヤ出てくる。
レイナ「サクヤ、なぜここに。」
サクヤ「トキ様、お逃げください。」
レイナ「なにを言い出すの。」
サクヤ「そもそもトキ様と拳王様は血を分けた御兄弟にしてリュウケンに北斗神拳を
　　　　伝授された御同門。あい争ってはいけません。」
レイナ「そのために私が説得に」
サクヤ「拳王様とお会いして、拳を交えずに済みましょうや？
　　　　北斗神拳のこと聞き及んでおります。天空に連なる七つの星のもと
　　　　１８００の間永遠受け継がれてきた北斗神拳。
　　　　その技は一子相伝によっていっさい外部漏れることなく
　　　　一度たりとも他門に敗れたことがはい。
　　　　わが子といえど厳しい修行に行きぬいたものみを伝承者とする。
　　　　このなかったリュウケンは何人かの選りすぐった子供を養子にしました。
　　　　その中にあなたと拳王様もいらっしゃって、
　　　　しかし、リュウケンはあなた方でなくもう一方のご兄弟を伝承者に
　　　　選ばれました。時代の不幸でしょう。あなたも拳王様も。
　　　　別の時代に生まれましたら、それぞれ伝承者になれましたものを。」
レイナ「私は、トキもラオウも子供のときから知っているわ。
　　　　二人が手を組めば、無敵なのよ。」
サクヤ「お二人は違いすぎます。
　　　　拳王様は天を望むもの。トキ様は大地を見るもの。
　　　　共に道を歩むことありますまい。」
　　　　戦えば、お互い無傷ですむわけありません。
　　　　今はそのときではありません。
　　　　トキ様お逃げください。」
トキ「もう一度言おう。私はこの村を捨てるつもりはない。」
サクヤ驚く。
トキ「それにわたしはここで待っておるのだよ。ある男。」
レイナ「もしかしてそれは。」
トキ、うなずく。
トキ「ケンシロウだ。」
サクヤ驚く。
サクヤ「北斗神拳正統伝承者ケンシロウ」
トキ「いずれケンシロウは私を見つけるだろう。だから、待っているのだ。
　　　お前はさっき時代の不幸だったといった。
　　　私もラオウもケンシロウも三人とも伝承者ありえたと。
　　　それは違う。私は自ら閉ざしたのだ。伝承者への道を。
　　　ケンシロウのために。」
あの核から守るシェルターの外で防ぐことでケンシロウを助けた。
　　　あのとシェルターはいっぱいだった。私はケンシロウたちが生き残ることを
　　　望んだ。(ユリアを含む。)
　　　もはやこの体は病み衰えている。ケンシロウと約束したのだよ。
　　　いずれ死ぬべきこの体で、何人の人間を救えるのかを。
　　　それが私が生きた証だとね。」
レイナ「だったら、拳王軍全軍あげてケンシロウを見つけ出して見せる。」
トキ「ラオウがケンシロウを見つけたらどうなると思う。
　　　おまえならわかるだろう。」
レイナ「あ。」
トキ「わたしは、ここで待つ。ラオウもケンシロウもどちらが先につけるか。
　　　それは運命の定めるところだ。」
サクヤ「どうあってもお逃げくださらないと。」
トキ「くどい」
サクヤ「ならば」
サクヤ、弓隊でトキを狙う。
レイナ「ああ。」
サクヤ「いかに北斗神拳を心得たといえ、病み衰えた体。１００箋をかわし切れますか。」

どこへ黒王のひずめの音、ラオウがやってくる。

レイナ「拳王様」
ラオウとトキあいまみえる。
ソウガ「レイナ。拳王様はご自分の目で見極めることにしたのだ。」
ラオウ「トキよひさしいな。」
トキ「ラオウ」
サクヤ「トキは拳王様に従う気はございません。
　　　　もはや全軍をもってこれを打つ以外には。」
ラオウ「トキはもとおり我が弟、１００箋の矢をもってもしても倒せる追い手ではないわ。
　　　　弓を下ろせ。ソウガ、兵を連れて下がっていろ。」
ラオウ「わが覇業のためにお前の力が必要なのだ。
　　　　このラオウに力を貸せ。」
トキ「ことわるといったら」
ラオウ「このまま放置するわけには、いかん。トキよ、お前はあまりに危険な存在なのだ。」
トキ「そんなに私が見触りか。」
ラオウ「我が覇業を阻むものは誰であれ、許すわけにはいかん。
　　　　民衆を救うことができるのは覇王たる俺のみ。
　　　　お前であれ。救世主などとといわれているものは放置できむ。」
トキ「だから、殺すと」
ラオウ「わからぬか、トキよ。この乱世を治めるには、誰かが天を握る必要があるのだ。」
トキ「ラオウ、あなたのやり方では誰も救うことはなどできない。
　　　あなたに付きしたがっているものは、ただ恐怖によってしはいされているだけ。
　　　力による支配は、いずれ力によって滅ぼされる。」
ラオウ「力を持たぬ正義に意味はない。この村を見よ。力を持たぬ故、野党ごときに
　　　　皆殺しにされた。おまえの医療も暴力の前には無意味。」
トキ「たしかに、むなしいだけかもしれない。だが、私は殺す側にはなれない。
　　　なんといわれようと、あなたに手を貸しわけには行かない。
　　　北斗神拳究極奥義「無想転生」。無より転じて生を拾う。無ゆえ敵なし。
　　　無ぬえに破ることのできぬ技。われらの師父リュウケンさえ会得いえなかった
　　　究極奥義。」
ラオウ「それを会得したと。」
トキ「いや。それは、愛を知るものでしか成し遂げられない。悲しみをしるものでしか
　　　成し遂げられない。ケンシロウ」
ラオウ「ううむ。」
トキ「今はまた未熟かもしれないが、ケンシロウにはその素質がある。
　　　だが、ラオウ、あなたにはそれがない。」
ラオウ「ふ、トキよ、このラオウの手によって死すか。」
トキ「それも覚悟の上」
ラオウ「そうか」
ラオウの闘気がトキを襲う。トキ、微塵も動ぜず。
ラオウ「トキよ。なぜ構えぬ。」
トキ「そんなに目障りなら、殺すなり好きにするがいい。
　　　すでに病の身、長くは持たん。」
ラオウ「うう。」
トキ「この世になんの未練があろう。死を前に兄と戦うことなど空しきこと。」
ラオウ「そうか。
　　　　トキを拘束し、カサンドラに幽閉せよ。」

トキ、カサンドラに連れて行かれる。
ソウガ「あれでよかったのか。トキ、そしてケンシロウ。この二人はいずれラオウのまえに
　　　　たちふさがる。危険な芽はいまのうちに摘んだほうがいい。
　　　　ここは、涙を呑んで。」
ラオウ「いや、カサンドラに幽閉すれば、トキとケンシロウがもはや再開するすではない。
　　　　トキもいずれ死ぬ。俺が手を下すまでもない。」

ソウガ　ラオウ。トキ・ケンシロウ。お前たちはなんと険しい道を行くのだ。
　　　　いずれはだがいを血であらう戦いになるぞ。避けられぬ運命というものか。
サクヤ「分を超えたことをしました。お許しください。」
レイナ「トキとラオウが共に道を歩まないだろうことはわかっていた。
　　　　でももしかしたらと思ったから。これでいいのよ。」

カサンドラにトキが行く。ウィグル獄長の洗礼をうけるが、トキには無意味であった。
トキ「案内してもらおうか。私を繋ぐ獄舎に。」
トキ「お前がここでどんな伝説を作ろうが私に関係ない。
　　　私は待つのに。ケンシロウを」
ウイグル「なに」
トキ「そして、覚えておくがいい。ケンシロウと私が会うとき、それがお前の最後の日だ。」
ウイグル「こいつを獄に繋げ。」

サクヤ、トキの獄にやてくる。
サクヤ「お許しください。私の浅知恵でございました。
　　　　お二人が見えれば、闘うは必定。
　　　　それだけは、避けねばならぬと考えたのございます。」
トキ「これも情。ラオウが獄に繋ぐも情。私がケンシロウを待つも情。
　　　ラオウと私を闘うのをやめさせたかったというその言葉、私のためか。」
サクヤ「今は拳王様に仕える身。王の安ずるは臣下の務めてあります。
　　　　お二人が闘えが、互い深く傷つくでしょう。
　　　　傷ついた拳王様の前に聖帝があらわれるようなことになれば。」
トキ「聖帝、彼を知っているのか。」
サクヤ「存じております。かの者の野望も。」
トキ「本当にそれだけなのか」
サクヤ「う。」

トキ「ラオウ。私たち二人の道はいつわかれてしまったのだろうか？」

ラオウ、血を分けた兄弟であるトキさえも、獄中につないだ。
覇業の前にふさがるものは誰であろうと許さない。
己に課した覇業をつき進んで行く。




次回「鬼、目覚める！」

タグ：サクヤ レイナ トキ ソウガ ラオウ ウイグル カサンドラ ギオン