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絶園のテンペスト 第22話 不破愛花 [TVアニメ]

♪~
♪~
。。。回想  はじめての出会いのとき
(滝川吉野)《メシ?》
(不破真広)《ああ。おごってやる》
《いや。いいけど  どこに?》


。。。レストランで、愛花が

《よう。お前が愛花か?》
(愛花)《ん?》
《悪いがうちの父さんは急用で来れなくなった》
《うちの母も1時間ほど遅れると》
《それでこちらの方は?》
《えっ? あっ》
。。。睨む愛花?
♪~


(早河)分かりました。
ピッ(携帯操作音)
(早河)はぁ~。
(山本)面白くない話を聞かされたようね。
(早河)はじまりの樹保護の方針が主要国政府で決定された。
 反対運動 破壊活動に対してもいずれ圧力を加えていくよう指示が出た。
 こうならないように手を打ってきたが
 はかない抵抗だったのかもしれん。
(山本)御柱の出現で流れが変わったのはしかたないんじゃない?
(哲馬)姫様の帰還を待たずとなったが。かろうじて最後の絶園の果実を
 飛ばせておけただけでもよしとすべきだろう。
(早河)御柱の調査船に紛れ込ませた 鎖部の者からの報告は?
(哲馬)芳しくはない。あとは姫様がどう判断なさるか。
(山本)彼女はもう戻ってきてるんでしょ?
(哲馬)ああ。 左門殿が迎えに行っているところだ。



。。。手紙を葉風
(左門)それが不破愛花の最後のメッセージですか。
(葉風)こちらで回収できるよう過去でここに隠しておいた。
(左門)よもや不破愛花が絶園の魔法使いであったとは。
(葉風)可能性としては十分考えられた。だがそれを考えられるほどに
 強い者はいなかったというだけだ。
(左門)あの二人に真実を?
(葉風)そう約束した。
 それに話さねばこれを渡すこともできんだろう? 
。。。手紙
(左門)二人がその真実をどう受け止めるか。
 あるいは姫様を逆恨みすることもあるのでは?
(葉風)だったらよほどいいのだがな。
♪~


。。。手紙を二人
(葉風)この手紙はお前たちに。
(吉野)何か入ってるようですね。
 メモリかな?
(葉風)はじまりの樹を倒しすべてが終わるまで開封するなということだ。
(吉野)えっ?
(葉風)ここまで話したすべてがはじまりの樹と絶園の樹の真実であり
 不破愛花の死の真相だ。

(真広)本当にそれが真実なんだな?

(葉風)ああ。偽りなく。

(葉風)だよな。
 この字も愛花のだし。疑う方がどうかしている。
 ふぅ。
 ようやく辻褄が合ったな。

(葉風)これでいいのか?

(真広)いいも何も俺は真実を認めねぇバカじゃねぇぞ。
 愛花が自分の意志でそいつが正しいと思ってやったなら
 俺がとやかく言う筋合いのもんじゃねぇ。
 愛花は愛花らしく自分の理屈を通したんだ。
 褒めてやるよ。
 俺にとってはこれで終わりだな。
 これ以上は理屈に合わねぇ。
 吉野。お前はどうだ?
(吉野)う~ん 愛花ちゃんらしいっていうか。思い切りのよさが
 男らしすぎるよなぁ。
 僕らに相談できなかったにしても。どうしてこうきっぱりしたことするんだか。
(真広)人の妹を男らしいとか言うな。
 単に愛花が正しかっただけだ。
(吉野)まっ。しかたないか。普通の素直ないい子だったらこんなことには
 ならなかっただろうし。
(真広)まるで愛花が性格が悪いゆがんだヤツみたいじゃねぇか!
(吉野)いやいや、性格悪くてゆがんでたって。
 そうでなければ つきあうこともなかったろうけど。
。。。う。と真広

(吉野)葉風さん。
(葉風)ん?
(吉野)つらい思いをさせたかもしれません。
 でもありがとうございました。
。。。
(真広)ああ。助かったよ。
 お前には悪いことをしたかもしれねぇ。
 あんまり気にするな。
(葉風)愛花の死は私に責任があるとは思わんのか?
 愛花ははじまりの樹のために死を選んだのであり また私が過去に戻らねば
 死ぬこともなかったかもしれん。
 私は姫宮として 彼女の死には無関係ではありえない。
(真広)それを言うなら、俺が愛花の復讐を考えなければ 
 お前は過去に戻らなかった。
 吉野とつきあってなけりゃ。愛花も違う選択をしたかもしれん。
 だったら、俺と吉野も同罪だ。
 いいか。愛花の死は愛花の責任だ。
 くだらねぇことを考えるな。

(葉風)分かった。もう言うまい。

(心の声) ≪結局 愛花の言うとおりなのだ≫
≪二人とも大丈夫なのだ≫
≪愛花を思うゆえに 愛花が願うゆえに 二人は大丈夫であってみせるのだ≫

(羽村)くっ。

(左門)≪ひとまず乗り切ったか≫
≪彼らの自制心に感謝せねばなるまい≫
(山本)≪二人に取り乱されても困るけど。これじゃ完全に負けたみたいじゃないの≫

ガタッ!
ガシャン!

・ガタン!
。。。あばれる羽村。なんとか一徹、ちゃぶ台?
(羽村)はぁはぁ 真広君。いつまでやせ我慢する気だい?

(真広)ああ!?

(羽村)君は間違っている! ここは怒るべきところだ!

(真広)何言ってんだ。 ここで怒るのは理屈に合わねぇ。

。。。なんか羽村、真広に
バキッ!

うっ!
うわ~!

(羽村)くっ!
(真広)ぐはっ!

(羽村)理屈 理屈 うるさいわ!!

(吉野)ちょっ! 羽村さん。落ち着いてくださ。
。。。こめかみにパンチ。
ドスッ!
(吉野)ぐあっ!

(羽村)君も君だ~!!
。。。顔面にパンチ

(吉野)うっ!
うっ。

(羽村)いくら理屈に合ってても。愛花さんがそうと望んでても
 そんなふうに平気な顔をして受け入れるのが正しいのかい?
 それは 人間として正しいのかい!?
 そもそも その理屈は誰が作ったものだい!?
 かっこつけてる場合じゃないよ! 
 とにかく 周りなんて気にせず怒って叫んで泣くくらいじゃないとダメなんだ!
 愛花さんもバカなことしたって怒るべきだ!
 正しいなんて認めちゃダメだ!
 不合理でも理屈に合ってなくてもそうしないとダメだ!
 そんなだから 君らはずっと復讐とかなんだとか前に進めず後ろ向きなんだ!
 まだ何も終わっちゃいないよ!!

(真広)うっ。
(羽村)はっ!
(真広)いってぇな。
(羽村)うわっ! ごっ ごめん。
(真広)いいさ。
(羽村)えっ?
(真広)少しは気が晴れた。
 それでお前 現状を分かってんのか?
(羽村)現状?
(真広)何をするにも まずははじまりの樹を倒さないと俺らには先がねぇ。
 あれがあるかぎり 泣こうが怒ろうがじき意味がなくなる。
 それでいて 今、世界ははじまりの樹を保護する方向に流れている。
 つまり倒そうとすれば、世界が敵になる。

(羽村)うっ! あっ。
(真広)はじまりの樹を倒せるのはお前の持つ絶園の力だけだ。
(羽村)うっ。
(真広)お前はこれから世界を相手にいちばん前で戦わねぇといけないわけだ。
(羽村)ええ!?
(真広)でもよ。俺を投げ飛ばしたからにはできねぇとは言わせねぇ。

(羽村)≪しっ。しまった!≫
≪とんでもない責任を負っちゃった!≫

(真広)はじまりの樹を倒せ。
 あれがあるかぎり何も始まらねぇし何も終わらねぇ。
(羽村)うっ。

。。。起き上がる吉野
(吉野)そう  だね。
 まだ終わってない。
 終わらせなければ何も始まらない。
 
 何も始まらなくとも 僕らは終わらせないといけないんだ。

(真広)それに終わらせねぇことには愛花のメッセージも見られないしな。

(吉野)ところで葉風さん。治癒魔法を使ってくれませんか?
(葉風)ん?
(吉野)さっき殴られたときすごくまずい骨が折れたような。
。。。きゅ~。
(葉風・羽村)うわぁ!
(葉風)すっ すぐ治す! 吉野!



(山本)御柱から半径20キロの周囲に20か国から派遣された巡洋艦クラスの武装艦が
 合計100隻 ぐるりと360度に散らばっている。
 どの国も御柱に余計な手を出さないように相互に見張りつつ
 外部からの攻撃に迎撃する用意もある。
 まあ、言ってもはじまりの樹が出現したときに各国とも軍事力の大部分は
 削られているからほどほどの戦力しか送り込まれていないんだけどね。
 とにかく御柱の20キロ圏内には入らないよう申し合わせがされている。
 現在 御柱の1キロ圏内には武装していない3隻の調査船がいるだけよ。

(愛花の声)《「追記 いずれどこかの海上に並外れた柱状の樹が出現するかと
 思います。それがはじまりの樹の心臓部でそれを破壊すればはじまりの樹は倒れます。
 またそれが出現したあとは数年で文明がリセットされると思ってください。
 では破壊の成功を祈っております」》

(左門)絶園の魔法使いである不破愛花からの伝言ではっきりした。
 はじまりの樹を倒すにあたり、破壊目標は御柱一つのみ。
(潤一郎)でも、巡洋艦クラスが見張ってる中 破壊しに行くのは簡単じゃないよ。
(山本)世界は今はじまりの樹の保護を最上としている。
 となれば 絶園の魔法使いは敵でしかない。
 どの国にも絶園の魔法使いを発見しだい撃墜もしくは 捕獲が命令されている。
(真広)妨害されても今の羽村なら100隻くらい一瞬で灰にできるだろ。
(羽村)何人死ぬと思ってるんだい!
(山本)できても やられたら困るのよ。
 御柱を破壊したあとのことも考えないと。
(左門)確かにその行為自体が非難の的となるだろう。国際紛争の火種にさえ
 なるかもしれん。
(山本)つまり御柱を破壊するとなれば艦艇へは一切被害を出さずそのうえで
 妨害をくぐり抜けないといけない。
(左門)そして それができたとしても一撃で破壊できなかった場合
 当然御柱からの反撃も考えられる。
 その反撃に周囲の艦艇が巻き込まれるのはまずい。
 保護が決まっていたはじまりの樹に手を出したせいで被害が出れば
 やはり絶園側への批判は避けられん。
(山本)私たちの勝利の条件は周囲にいる艦艇 更に内側の調査船に一切被害を発生させず
 それらの妨害をくぐり抜け御柱の反撃からも艦艇を守ったうえで御柱を破壊すること。
(吉野)葉風さんや鎖部の魔法は当てにできるんですか?
(左門)御柱を中心として数十キロ。少なくとも艦艇が配置されている海域で
 鎖部の魔法がまるで使えんことは調査で判明している。
(葉風)さすがにそこまで 私に破壊の加護を与えてはくれんか。
(山本)そして はじまりの樹保護が決まった現状では私たちに国家レベルの
 バックアップも期待できない。
(左門)唯一御柱に干渉できる者は。

(羽村)うっ。うそ。

(左門)どれほど不利な条件でも今やらねばこの世界は滅びてしまう。

(羽村)どっ。どうしよう。真広君。
(真広)周りは敵だらけ。頼りになるのは自分だけ か。
 だから どうだってんだ。
 最初から 俺らはそんなだったさ。
(吉野)ふふっ。
(真広)条件が決まってるならやれることも決まってる。
 この先どうするか。俺の考えを言うぜ。
 とうに賽は投げられてんだ。
 これから先は 俺がすべて背負ってやる。

(吉野)
≪まるで あのときの真広だ≫



《俺が世界を救ってやるよ!》

《ついでに世界を救ってやる》

≪そう くまでついでだった≫
≪愛花ちゃんを殺した犯人を見つけるまでの≫
≪だけど 今 復讐する相手はもうどこにもいない≫
≪それでも背負うんだな。真広≫



。。。。夜
・トントントン(足音)

(吉野)ん?

(真広)あっ。

(真広)結局 振り回されたわけだ。
(吉野)えっ?
(真広)愛花にさ。
 自分が正しいと思って勝手なことしやがって。
 人に頼るタイプじゃねぇと言ってたが最後まで貫きやがった。
(吉野)ああ。そういえばそんなこと言ってたね。
 初めて会ったときから。
(真広)最初っから生意気なヤツだったな。


。。。レストラン
(愛花)《そちらは資産家で地元でも有名な実業家と聞いてます》
《こちらはつましい母子家庭で》
(真広)《そういう話はどうでもいいだろ》
《親同士 納得してんなら、それで》

(吉野)≪大丈夫かな?≫
≪こんなおとなしそうな子が真広と兄妹になるなんて≫

(真広)《しっかし お前、日頃 何食ってんだ?》
。。。手を出真広
《痩せすぎじゃねぇか?この腕なんか長ネギかよ》

(愛花)《デリカシーのない人ですね》
《初対面の女子の体を葉菜で例えますか!》
(真広)《じき 家族になる相手に気を遣ってやる必要はねぇだろ》
《お前も俺に気を遣うな》
《気に入らねぇなら そう言え》
《そうすりゃ無理せずうまくつきあう距離も分かる》
(愛花)《では、家族になるにあたってあなたをなんと呼べばいいです?
 お兄様ですか?》
(真広)《気持ち悪いよ。別のにしろ》
(愛花)《じゃあ 真広》
(真広)《いきなり呼び捨てかよ!》
(愛花)《あなたは 年上に必ず敬称を付けて呼ぶとでも?》

。。。挑発的な愛花
(真広)《それもそうだな》
(愛花)《えっ?》
(真広)《それでいいぞ。どうした?》
(愛花)《いえ、怒ると思っていたので》
(真広)《正しいだろ、お前の言ったこと》
(愛花)《変な人ですね》
《吉野さん。 といいましたね》
(吉野)《はっ?》
(愛花)《いくら親しいお友達でもこういう場は遠慮するものではありませんか?》
(吉野)《いや 僕は強引に》
(真広)《こいつはな何かあったらお前が頼るのに都合がいいから俺が誘った》
(愛花)《頼る?》
 《私が人を頼るタイプに見えますか?》
 《それにどうして吉野さんに》
(真広)《俺よりたちが悪いからなそいつは》
 《誰とでも要領よく振る舞える》

(愛花)《ふぅ》
《吉野さん。少し怒ったらどうなのです?》
(吉野)《いや》
(真広)《図星だから怒れねぇって》
 《そいつも名前を呼び捨てにされても怒らねぇ口さ。
  理由さえ納得できりゃな》
(愛花)《あいにく 名前はまだ聞いてませんから》
(真広)《だから 吉野だ。滝川吉野》
(愛花)《滝  川?》
 《吉野が名字じゃなかったんですか?》
(吉野)《ああ よく間違えられる》
(愛花)《すみません! 初対面でずっとなれなれしく名前で》
(吉野)《あっ。いや、愛花ちゃんがそれでかまわないなら》
(愛花)《愛花  ちゃん?》
(吉野)《えっ? あっ。ごめん》
 《こっちもなれなれしかった?》
(愛花)《私、ちゃん付けで呼ばれたのは初めてです》
 《ふふふっ》
(愛花)《本当におかしな人たちですね》



(山本)どう見る? 真広君の作戦。
(左門)どうもこうもあるまい。現状での最善策は細部は違っていても
 あれくらいしかないと分かっていた。
(山本)そうね。
(左門)問題はその策が本当に最善と皆に信じさせられるかどうか。
 それができる者は我々ではないということだ。


(左門)《確かにそれで被害は最小限に抑えられるかもしれん》
《だが そのあとの反応を考えると》
(真広)《抜けたことを言うな》
《たとえ被害ゼロで御柱を破壊しても 世界は混乱するし。
 戦争だって起こるだろうさ》
《どう転んだってはじまりの樹がなくなったあとはひでぇ時代が続くんだ》
《分かってんだろ?》
(羽村)《だけどもとはといえば愛花さんが 
。。。にらむ真広
《って、 うわっ。ごめん! 愛花さんを悪く言うつもりは》
(真広)《そうだ。この状況を作ったのは確かに愛花だ》
《身内の不始末は身内が責任を負うもんだ》
《妹の失敗は兄の俺が引き受けるのが道理だよな》
《お前に責任を負わせるのは道理に合わねぇ》
《だが 今はお前にしかできねぇこともある》
《だから ここはお前に頭を下げる》

《心配するな。万一 犠牲が出たとしても、それでも樹を倒したのは正しかった
 そう思える世界を俺が作ってやる》


(左門)ふっ。大きく出たものだ。
(山本)でも、彼ならそれができそうに思えるから不思議。
(左門)とはいえ 真広も後ろに滝川吉野がいなければあそこまで言えんと思うがな。
(山本)いや、吉野君がいるからあれぐらいで済んでるんじゃない?
(左門)かといって、滝川吉野だけでもろくなことにはならんだろう。
(山本)ふふっ。不思議な話よね。不破真広も滝川吉野も普通の高校生にすぎなかった。
(左門)ああ。 そして、今も変わらず二人は特別な力を持たないただの少年。



(真広)本気か?俺たちが行って何ができる?
(吉野)多少アイデアを出せるくらい?
 実際それ以上何もできないと思う。
 でも お前が妹の失敗を引き受ける責任があるなら、
 僕にも彼女の失敗を引き受ける責任がある。
(真広)はぁ。 ぬけぬけと言いやがって。
 まあ 確かにここで傍観してる気にはなれねぇな。
 ふっ。 へへへっ。
 つきあってやるぜ。
(吉野)ふふっ。



(左門)強いて言うなら二人は特別な時、特別な場所にいただけだ。
(山本)でも、その過酷な場所から逃げなかったのは紛れもなく二人の意思よ。
(左門)そして、何をすべきか何ができるか考え続けるのもまた。
(山本)それは二人にとって 私たちにとって幸いとなるのかしら。
(左門)幸いであれと私は祈るよ。ただ 何に祈っていいかは分からんが。

(愛花)《でも、おかしな人たちが近くにいる方がいいのかもしれません。
 どんな悲劇もきっとその人たちといれば喜劇に変わって見えるかも
 しれませんから》
・・・問題児達の出会い
♪~
♪~
♪~


(山本)団体さ~ん こっち こっち~!

(潤一郎)あぁ。あ。ただの女の子だな。


     は じ ま り の 戦 い
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