ギルティクラウン 第８話 夏日 courtship behavior

。。。ジャムの缶をあけようとする春夏。おかまいなし。

（春夏）うーん！　うーん！　あぁ。

（春夏）ねえ　集！
これ　開けてぇ。
あれ？　どこか出掛けるのー？

（集）前に言ったでしょ。
部活の合宿。

（春夏）あー。うん。
そんなこと言ってたような。　　言ってた？

（集）ああ。言ってたの。
しばらくうちを空けるからね。
。。。蓋を開ける集。

（春夏）えー！　独りぼっちでお留守番？

（集）しょうがないでしょ。

。。。胸を息子に頭に密着させる春夏。
（春夏）さみしい！
私もついていくぅ！

（集）こら！　重いって。


。。。いのりが来て。
（春夏）あっ！いのりちゃーん！

（春夏）集が　私のこと捨てるって。

（集）もういいから離れてよ！
。。。あれあれ。短パンのお母さん。


。。。ばつがわるいが、顔をあげて、春夏を見る集。
（春夏）行き先は大島だったっけ？
（集）うん。
（春夏）そう。
じゃあ　お父さんに会ってらっしゃい。
♪～





。。。船で行く大島。

（颯太）着いた　着いたー！

（祭）いいお天気！
晴れてよかったね！

（颯太）これから行くとこ集の親戚の別荘なんだって？
（集）あ　うん。　子供のころこっちに住んでたから。

（颯太）いやー。助かったぜ！

（集）アハハハ。




。。。涯に指示されたミッション。
《魂館　颯太？
　それって僕のクラスの？》
（涯）《そうだ。
　　　　大島まで連れてこい》
《そこにあるＧＨＱの施設に潜入する》
。。。カップ麺を食べる集。

《セキュリティーを突破するのにそいつのヴォイドの力がいる》

《よりによって》
《旅行に誘うだけのことだ。
　難しくはあるまい》
《できるよ》
《結構》
《友達は大切にしろ》


。。。屋敷について。
《涯のやつ人の気も知らずに》


。。。豪華な屋敷。
（颯太）おー。すげえ！　立派だな。

（花音）桜満君の親戚って、何をしている人なの？

（集）えっ。

（集）どうしたの？　このお屋敷。
（いのり）供奉院グループが手配したって。涯が。


（颯太）また２人仲良くして。
家だけにしてよー。

（集）な、何言ってんの？　いきなり。

（颯太だ）って　２人一緒に住んでるんでしょ？

（花音）何？　どういうこと？

（颯太）俺　見ちゃったんだよね。２人が一緒に家に帰ってくの。
ちょっと聞いてみましょう！
２人のなれ初めは？
。。。録音する颯太。

（集）やめてよ！
いのりとは何もないよ。
乱暴なお兄さんがいて。その人が僕の知り合いで。

（颯太）はいはい。
言い訳はいいでーす。
幸せな人はほっといて、もう今から海行こうぜ。海！

（花音）ちょっとは片付けとか。

（颯太）そんなの、後　後！
せっかくのリゾートだぜ！
今は目いっぱい遊ばなきゃ！

（花音）魂館君！




。。。水着に着替えて。
（颯太）海だー！ヤッホー！

・（颯太）みんな　早く来いよー！

（花音）まったく。　強引なんだから。
（祭）アハハ。
　　　颯太君らしいよ。


。。。パラソルを立てる集。
（集）やれやれ。
《僕は颯太が苦手だ》
《強引でデリカシーがなくて。空気読まなくて》
《ミッションがなければ一緒に旅行なんて》

。。。いのりが海岸を歩く姿。
　　　見とれる集。
《旅行　　なんて》



。。。パラソルの中で。
（祭）油断してたんだよね。私。
頑張れ。祭！
。。。水着になって。


（祭）ねえ。集！
。。。？
（祭）私たちも泳ごうよ。
。。。集。胸に目が行く。
（集）あ　　えっと。
（祭）ほら！　早く！
（集）ちょっ！　祭！？
ちょっと待ってって！
♪～


。。。颯太、いのりを画材に、機材を取り出して。
う。ううん。。




。。。海の家で見ている。
（四分儀）魂館　颯太は無事たどりついたようですね。
（アルゴ）ミッションだってのに浮かれやがって。
　　　　　あんなんやらせてていいのか？

（大雲）ここまでは順調です。
問題は施設のセキュリティーでしょう。

（四分儀）そちらは鶫たちが調査中です。
（アルゴ）しばらくは待機か。しかしこんな島にいったい何があるってんだ？
（四分儀）それは涯のみぞ知るです。ところで、アルゴ。
（アルゴ）あん？

（四分儀）暑くないのですか？
（アルゴ）気合、入ってますんで。




。。。海の後。
・・・女性三人で
（祭）あれ？　集は？
（花音）寄る所があるって先に行ったけど？
（祭）そういえば　大島って、集のお父さんの。
。。。撮影する颯太。



。。。飛んでいる帽子。
　　　手に取って。

（颯太）あっ？

あのー。これ！

。。。差し出す颯太。

（綾瀬）ありがとう。
ご機嫌よう。


（颯太）すっげー！
　　　お嬢さまって感じだな。



。。。顔を隠した綾瀬。メイド服の鶫。
（綾瀬）鶫！
　　　　何、そのふざけた格好。
（鶫）綾瀬お嬢さまもとってもお似合いですわよ。
オホホホ！






。。。集。父の墓前に。
　　　花をたむける。

・（足音）

（涯）桜満クロス博士か。
（集）知ってるの？
（涯）旧天王洲大学の教授だ。
　　　アポカリプスウイルス研究の第一人者でもある。
（集）そうだったんだ。
（涯）なぜお前が知らない？
（集）家ではそういう話しないから。
　　　春夏の先生だったとは聞いてるけど。
（涯）春夏？
（集）いやうちの母親だけど。
　　　とにかく父さんのことは　あまり覚えてないんだ。
　　　１０年前に死んじゃったから。
（涯）ロストクリスマスか。
　　　あの日から何もかもが変わってしまった。

（集）ところでどうしてここに来たの？
　　　お墓参りじゃないよね。
（涯）ああ。

。。。つれていく涯。


（涯）あれだ。

（集）神社？
（涯）こいつで見てみろ。

。。。赤外線で警備されいている神社。
（集）あれって！
（涯）ＧＨＱの秘密施設だ。
　　　あそこに求めるものがある。
（集）「求めるもの」？
（涯）はじまりの石。


（涯）今、俺たちが最も手に入れなくてはならないものだ。
その作戦の鍵がお前とお前の出すヴォイド。
分かってるな？
（集）魂館　颯太。
　　　分かってるよ。
（涯）ミッションの開始は２２００。
　　　それまでにあいつを指定のポイントまで連れてこい。
（集）簡単に言うよなぁ。
（涯）実際簡単だろう。
　　　餌を使えばいい。
（集）餌？
（涯）ＥＧＯＩＳＴのファンだと聞いているが？
（集）ああ。
　　　いのりを使うの！？
　　　そんなん嫌だよ！
（涯）なぜ嫌がる？　相手の興味のあるものを使って引っ張る。
　　　初歩の初歩だ。
（集）それがいのりでも！？
（涯）これ以上の議論は無意味だな。
　　　できないならやらなくていい。
　　　お前は寝ていろ。

（集）ちょっと。　待ってよ！

。。。集の父の墓。





。。。大浴場。女の子達。

（祭）友達と旅行なんて久しぶり。
　　　花音ちゃんも来てくれてありがとうね。

（花音）何　言ってるの。
　　　　私だって一応映研部員よ。
　　　　幽霊部員だけど。

（祭）でも、谷尋君、来てないのに。

（花音）ええ。今はあいつ関係ないでしょ！

（祭）本当に助かったよ～。

（祭）《もし　楪さんと２人きりだったら　私》

・（戸の開閉音）

（祭）あっ！

（花音）ああ。いのりちゃん。肌　奇麗！ねえねえ。触ってもいい？
（いのり）えっ？　あの。
（花音）すごーい！すべすべ～！
　　　　じゃあここは？
（いのり）あ。　そこ　駄目。
。。。


。。。もやもやした祭。
（祭）《楪さんは集のことどう思ってるんだろ？》




。。。男だけの居間で
（颯太）なあ。集。

（集）えっ。　何？

（颯太）いのりちゃんとはホントに何もないわけ？

（集）ああ。
　　　さっきも言ったじゃない。
　　　ホントに何でも。

（颯太）何でもないなら、俺　いくから。
（集）はっ？
（颯太）いのりちゃん。　俺　いくから。

。。。風鈴。
♪～

。。。？決心する集。
　　　　颯太の肩をたたいて。
（集）今晩　いく？
♪～

。。。いのりに、颯太のことをお願いしに行く集。
呼び止めて。




。。。指令車。
（四分儀）「友人を巻き込むミッション。桜満君には不向きの任務ですね」
（涯）俺の意見は違うな。
　　　巻き込んでこその友さ。
（四分儀）「フフッ。あなたらしい」
（涯）何の冒険もない人生なんてつまらん。
ちょっとくらいは人の心に波風立てるくらいでないとな。



。。。涯を思う乙女。
（亞里沙）恙神　涯。





。。。誕生日。待ちぼうけのダリルぼっちゃん。

（ウエーター）お客さま。
（ダリル）何だよ！？
。。。耳打ちする。

（ダリル）えっ！
。。。悲しいこと。いらない子



（秘書）よろしいのですか？
（ヤン）構わん。本当に私の子なのかも怪しいものだ。

（ヤン）あれの母親はよくない女だった。
　　　　君と違ってな。
（秘書。）うん。




。。。いのりを呼び出した颯太。
　　　一緒に歩く颯太といのり。
（颯太）ごめんね。急にさ。
星が奇麗だよね。
東京じゃ、めったに。
ってここも東京か。

（颯太）ハハ　ハハハ。


。。。見張っている集。
《問題ない》
《２人きりにしても何も問題ない》

。。。映像を見せる颯太。

（颯太）見せたいものがあるんだ。
俺、ＥＧＯＩＳＴのＰＶですごく感動して居ても立ってもいられなくて。
だから自分でも作ってみたんだ。
。。。接近する二人。


（集）あっ。
《何やってんの？》


♪「咲いた　野の花よ」
♪「ああ　どうか」


。。。近づく集。

《僕みたいなことして》
《誰でもそれでいのりの気を引けるとでも》


（いのり）奇麗。


（集）あっ！


（颯太）い　いのりちゃん！
あ。
（颯太）俺、いのりちゃんのこと　まだよく知らないけどさ。
歌う君に感動した気持ちは本当なんだ！
いのりちゃんのこともっと知りたい！
俺、いのりちゃんのこと本気で　すっ！
（颯太）す！

。。。ちょっと待った。

（集）ちょっと待って！！

（颯太）あ。集！？　
　　　　お前　何で？

。。。始める集。

（集）いのりは僕の！

。。。ヴォイドを取り出す集。
（颯太）うおっ！

（颯太）うあぁぁぁ！！

。。。？とみているいのり。


（いのり）集。

（集）あっ。



。。。出てくる葬儀社の仲間。
（アルゴ）おい。何やってんだ！
こんなとこで引き抜いてんじゃねえよ。

（集）うわああ！
　　　いつからそこに！？
　　　うっ！


（綾瀬）こらえ性のない男ね。
（集）綾瀬！

（鶫）「いのりは僕の！」

（集）ちょ、ちょっと！

（四分儀）想定外の事態です。
どうしますか？涯。

（集）えー！？

（涯）プランの変更はなしだ。
このままでいく。いいな。

（鶫）アイアーイ！


。。。綾瀬、集に近づいて。
（綾瀬）「いのりは僕の」　何？



。。。茎道は施設に。




。。。施設の方へ。
（涯）全員揃ったか。
　　　警備の目は鶫がつぶしている。

（集）ハァ　ハァ。

（涯）問題なのは内部だ。
　　　大曇。

（大曇）イエス。

。。。颯太を運んで疲れた集。
（集）ハァ。

（大雲）告白はきちんとするべきです。
（集）うん？

（涯）集。そのカメラでゲートを撮れ。

。。。やってみる集。
　　　道が空いている。

（集）もしかして　これって開くヴォイド？

（涯）行くぞ。

。。。涯。いのり。集で。




。。。警備兵
うん？何だ！

あっ。失礼しました！　茎道。
（茎道）気にしなくていい。

。。。銃で撃つ。

（茎道）通りすがりの生き霊だ。

。。。カードで入る。桜満クロスのカードで



・（アラーム）
（集）まさかバレたの！？
（涯）違う。俺たちじゃない。
　　　これは。

（涯）急げ！

。。。警備兵が。

（いのり）集！

（涯）行くぞ。
♪～


。。。茎道。先回り。
開ける奥。



。。。走る。
（集）どうして　颯太の中からこんなヴォイドが。
（涯）俺には理由などどうでもいい。
　　　重要なのは
　　　このような仕掛けでも、そのヴォイドならば開くということだ。
。。。不思議なパズルの部屋。
（集）何なの？　この部屋。
（涯）この先に目的のものがある。
　　　撮れ。

。。。やってみる集。
♪～

。。。ラピュタのように壁が動き出す。道が開けて。
♪～

（集）あっ。

。。。中へ。


。。。なにもない中の？

（集）これって！？
（いのり）あっ！

。。。くそうと涯。撃ってしまう。
・（銃声）

（集）涯！　何を。
（涯）撤収する。
くっ！
やはり貴様か。　茎道！




。。。集の乳の墓前で
（茎道）幸福な日々を思うより、なお大いなる苦しみはなし。
　　　　クロス。私は止まらんよ。
。。。はじまりの石を手に。





。。。朝。ベンチで。
（集）大丈夫？
（颯太）集。
　　　　あれ？いのりちゃんは？
（集）帰ったよ。


（颯太）何だよ？
（集）颯太。
　　　僕、協力するのやめるよ。
（颯太）あっ！
　　　　お前、やっぱりいのりちゃんのこと。

。。。。

（颯太）そういうふうに思ってんなら最初から正直に言ってくれよ！
　　　　何考えてんだかさっぱり分かんねえよ！
（集）颯太だって！
　　　いつも強引でデリカシーなくて空気読まなくて！
　　　そういうところが嫌なんだよ！

（颯太）あっ。

（集）僕は颯太のことが苦手だ。

。。。ほんとのことを。

（集）
《嫌われたな。でも、これでいい》
《本気でぶつからなくちゃいけなかったんだ》
《友達なんだとしたら》


（颯太）そうじゃないかと思った。
（集）あっ！
　　　颯太？
（颯太）はっきり言ってもらってよかった。
　　　　集ってさ。何か距離ある感じするじゃん？
　　　　だから
　　　　ホントは俺もちょっとお前のこと苦手だったんだよ。
　　　　だからよかった。
　　　　正直に言ってくれて。
　　　　それって心を開いてくれたってことだろ？

（集）あっ！

。。。笑顔を見せる颯太。
　　　二人で海を見る。
♪～




。。。帰りの船。
　　　集といのり。

（集）いまさらだけどヴォイドって何だろう？
（いのり）う
（集）今までよく分からなかったけど。それじゃあ。駄目な気がするんだ。
　　　だって　この右手は人の心に触れてるんだから。

。。。手を見る集。それを見るいのり。うつむいて。
（いのり）涯が言ってた。
「心のありようでヴォイドも変わっていく」って。

（集）ヴォイドが？
　　　そうなんだ。
《じゃあ。心を通わせれば、僕の力も変わっていくんだろうか？》


。。。手をそれにかざす集。
♪～

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